食中毒予防

ニンニクの食中毒予防効果

あまり知られていないようですがにんにくは食中毒予防に大変効果があります。にんにくの抗菌・殺菌効果は非常に強力で、食中毒の元となる細菌などや大腸菌O-157まで殺菌すると言われます。

また、にんにくの殺菌力は生の状態が一番強力ですが、加熱処理してもその効能は持続します。

カツオのたたきや馬刺しを食べる時、薬味にニンニクのすりおろしをつけることがありますが、これは味付けという意味だけでなく、食中毒予防も兼ね備えた古人の知恵と考えられます。

食中毒とは?

食中毒とは食べ物や飲み物に有害な物質が付着することにより、それを食べたり、飲んだりした場合に腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が起きることです。

日本では衛生環境が整っているため、食中毒になる危険性は低く、もし食中毒になったとしても多くの場合は致命的な状況にはなりません。

しかし、食中毒には流行性があり、また大腸菌O-157のように死に至るものが突然出現する場合があるので注意は必要です。

また、抵抗力の無い幼児はウィルス性の食中毒になりやすい傾向があります。

食中毒の原因

食中毒の原因となる有害物質には、細菌やウィルス、寄生虫、毒、化学物質などがあります。代表的なものに細菌では、大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌、ウェルシュ菌などがあり、ウィルスではノロウィルス、ロタウィルス、E型肝炎ウィルスなどがあります。寄生虫ではアニサキス、クドアなどがあり、毒には毒キノコやフグの毒があります。化学物質にはアレルギーに起因するものが多く、ヒスタミンやアミンなどになります。

これらが飲食物に含まれていたり、人から感染して食中毒を発症します。

にんにくにおける食中毒予防効果の仕組み

にんにくの食中毒予防効果はにんにくが持つ抗菌・殺菌効果に起因します。にんにくに含まれるアリシンには強力な抗菌・殺菌作用があります。

ある研究報告では食中毒細菌である腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌、病原性大腸菌、カンピロバクター菌、黄色ブドウ球菌を使ってにんにくの殺菌・抗菌効果を調査したところ、全ての細菌に対して効果があったとしています。

抗菌・殺菌作用を持つ食品には他にもニラや生姜、紫蘇などがありますが、にんにくの効力はもっとも強く、そして全ての細菌に効果がみられたのはニンニクだけだったとしています。

その他の研究でもにんにくの食中毒に対する効能は、殺菌作用を持つその他の食品と比べても優れていると報告されています。

また、アリシンは加熱調理すると様々な物質に変化します。変化する物質の多くは硫黄化合物ですが、その中でもジアリルスルフィド(DADS)やS-アリルシステイン(SAC)、アホエン等にも強い抗菌・殺菌効果があります。

ですので、調理後もにんにくの食中毒予防効果は期待できますが、生にんにくと比べるとその効力はかなり落ちると言われています。

にんにくの食中毒予防効果を最大限に期待できるのは、生のにんにくを潰す、すりおろす、みじん切りにする、搾汁する方法のようです。

にんにくの食中毒予防効果を期待する場合の注意点

にんにくの食中毒予防の根源である抗菌・殺菌作用は強力です。そのため、にんにくを食べ過ぎたり、空腹時に生のにんにくを食べたりすると胃腸障害を起こすことがあります。

食中毒予防には生にんにくが一番効果的ではありますが、同時に胃腸への刺激も強くなるので、あくまで適量の範囲で摂取ください。

適量とは個人差がありますが、一般的に生にんにくであれば1片/1日、加熱したにんにくであれば2~3片/1日です。

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